社会主義はなぜうまくいかないのか

社会主義とは、生産手段の個人所有を認めない主義です。
生産の三要素である「労働・資本・土地」のうち「資本・土地」を社会が管理して生産の無駄をなくそうという考えです。

社会主義は計画経済です。
国民が何を欲しているかを調べ、必要なものを必要なだけ生産すれば無駄がなくなるという発想です。

これだけ聞くと何かすごく効率的な気がします。
資本主義は無駄が多いような気がしてしまいます。

では、資本主義はどうなっているでしょう。

あなたが朝食に食パンを買いに行くとします。
いつもは一斤300円のわりと高価な食パンを買うのですが、今日は給料日前だから一斤100円の一番安い食パンを買おうと考えています。
この時、お店から「いつも300円の食パンを買ってもらっているから今日も300円のものを買ってもらわないと困ります。100円の食パンはいつも買ってくれる人がいますので」といって断られることはありません。

あなたは、食べたい物を自由に選ぶことができます。
お店は、あなたに自由に選んでもらいたいからいろいろなパンを並べているわけではありません。
たくさんの人にいろいろなパンを自由に選べるようにした方が、お店が儲かるからしていることです。
あなたのためではなく、お店のためにしていることです。

また、パンの原料である小麦を作っている農家も、あなたにパンを食べてもらうために小麦を作っているわけではありません。
小麦からパンを製造している業者も、それを流通させている業者も、あなたのためではなく、自分が儲かる最適な方法で行動しています。

資本主義は「価格」というものがあるおかげで、なぜか効率的で無駄のない方法ができあがっているのですね。

社会主義の計画経済で、このしくみよりいいしくみが作れるでしょうか。

「小麦の作り方」から「パンの小売り」までのすべてに精通している人がいたとしても、資本主義の「価格」に勝るしくみを考えるのは不可能ではないでしょうか。

社会主義の計画経済は、確かに無駄のない効率的な方法かもしれません。
ただし、国民のすべてを把握できる神さまのような存在がいればという条件付きですが・・・。

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